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日本代表 8年前

豪州代表、ハリルJに恐れなし。日豪戦へ不安要素は皆無。“天敵”ケーヒルが狙うは「10年前」の再現

text by 植松久隆 photo by Getty Images , Taka Uematsu

ケーヒルが狙う「10年前の惨劇」

ケーヒル
途中出場が予想されるティム・ケーヒル【写真:Taka Uematsu】

 前日会見でポスタコグルー監督は「23名の完全なリストから選手を選べる」と自信を見せたように、登録選手全てがほぼ万全なコンディションにあり、チームの状態はかなり良い。アウェーから帰国後のあまりの順調な様子に気の緩みは無いのかと、粗さがしをしたくなるのだが、叩いても何の埃も出てこない。正直、不安らしい不安は見当たらない。

 会見でのポスタコグルー監督は、日本メディアが必要以上に警戒する“日本の天敵”ケーヒルに関して、「試合はかなりフィジカルなものになるので、しばらく重要な試合を戦っていない彼のコンディションがとても重要。コンディションは良くなっているので、今日(10日)の状態を見て決めたい。もし先発しないでも、彼が試合の重要な局面でプレーするのは確実。試合の後半、たとえば30分プレーするだけでも相手にダメージを与えられる。まぁ彼に頭から行きたいかと言えば、行きたいというだろうけど」と、かなり踏み込んだ内容で起用法に言及した。

 これで、筆者は「ケーヒル、スーパーサブ確定」と得心したが、現地マスコミもほぼ同じ解釈で続々と記事を上げた。これまでのポスタコグルー監督の言動などをブリスベン時代から長く見てきた身として言えば、彼はブラフを言うタイプの監督ではなく、その発言はほぼ額面通りに受け取って良い。何が起こるかわからないので断定は避けたいが、おそらくケーヒル先発は無いだろう。

 同じ会見の場で現地メディアに10年前の“カイザースラウテルンの惨劇”について聞かれたイェディナク。「家で見ていた」と答えた後、「あの試合も交代出場の選手によってドラマが生まれた。今の代表も、ほとんどメンバーが変わったけども、途中から入って来る選手が常に大事な仕事をしている」と語った。

 その10年前、途中出場して日本を奈落の底に突き落とした“交代出場の選手”こそが、ケーヒルであることはここで取り立てて説明するまでもない。10年の時を経て、10年分の経験の蓄積でパワーアップしたケーヒルが満を持して交代出場で入ってきて…考えたくない、シナリオだ。

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