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日本代表 8年前

豪州代表、ハリルJに恐れなし。日豪戦へ不安要素は皆無。“天敵”ケーヒルが狙うは「10年前」の再現

日本代表は11日、ロシアワールドカップアジア最終予選でオーストラリア代表と対戦する。ドイツワールドカップ以降、日本はオーストラリアに対して対戦成績で上回っているが、アンジ・ポスタゴグルー監督のもと生まれ変わった“サッカルーズ”(オーストラリア代表の愛称)に日本への恐れはない。オーストラリアは試合に向けてリラックスムードで調整を続けており、コンディションも万全で不安要素も見当たらない。そして、10年前の“カイザースラウテルンの惨劇”を知るティム・ケーヒルは、途中出場から当時の再現を狙ってくることになりそうだ。(取材・文:植松久隆【メルボルン】)

text by 植松久隆 photo by Getty Images , Taka Uematsu

豪州代表、対戦成績では劣るも日本への「恐れ」はなし

オーストラリア代表
2006年ワールドカップで逆転負けを喫した“カイザースラウテルンの惨劇”【写真:Getty Images】

 豪州は、本気で日豪戦に勝とうと臨んでくる。“アンジ革命”により生まれ変わった豪州には、もはや日本に対しての「リスペクト」はあれど「恐れ」はない。

 試合前日会見で、アンジ・ポスタコグルー監督と主将のミレ・ジェディナク(アストン・ヴィラ)の2人が口を揃えて「お互いがお互いをリスペクトする関係」と語った日豪両国の力関係に、大きな変化の兆しが見えている。日本は、今や、豪州にとっては「ライバル」ではあっても「恐れる相手」ではなくなったことは明白だ。

 豪州には、アジア王者としてのプライドと自信がある。そして、10年前の日本にとってのトラウマ、“カイザースラウテルンの惨劇(豪州的には歓喜と呼ぶべき)”は、現場に立ち会ったティム・ケーヒル(メルボルン・シティ)、マーク・ミリガン(バニヤス)を除けば、もはや、昔語りに過ぎない。

 さらに言えば、直近の日豪戦(14年の長居での親善試合)は、現代表選手のうちの8名しかピッチで経験していない。ようは、今の豪州は日本が今まで知るサッカルーズとは完全に別物で、日本への畏敬の念は一頃よりは確実に薄れている。

 しかも、その自信を過去のデータも後押しする。06年のW杯での対戦以降、日豪がアジアの覇権を争ってきた10年間の日豪戦の対戦成績をおさらいしておこう。

 対戦成績では、全部で8回対戦して日本が3勝1敗4分け(筆者注:07年アジアカップ準々決勝の日本PK勝ちは、ドローでカウント)と日本優勢。しかし、これをW杯最終予選に限定すると、4試合で豪州の1勝3分けと様相は一変する。アジアカップでは2度戦い2度の苦杯を舐めさせられた豪州だが、W杯最終予選では日本に負けがない。こういうデータも、ここ最近の情勢と相まって豪州の自信を下支えしている。

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