新監督のもと成長続けるイタリアとスペイン。1位通過を巡って激しい争い
結局、両者は痛み分けのドロー。2連勝のアルバニアに1位を譲って勝ち点4で並んだ。若い選手が育ち、EURO2016本大会にも進んだアルバニアを軽視してはならない。ただやはり1位通過はイタリアとスペインの間で争われ、イーブンとなった両者が今後どれだけ勝ち点を挙げられるかという勝負になってくる。
しかし、厳密にいうとイーブンではない。スペインは初戦のリヒテンシュタイン戦で8-0と大勝し、得失点差の勝負となった場合のマージンを築いている。イタリアに同様のことはちょっと望めない。まだチームがベントゥーラ監督のものにはなっていない状況で、スペインより多くの勝ち点を稼がなければならないという条件はやはり厳しいものだと言える。
それでもこの2戦でイタリアには良い発見もあった。自らの“使い方”を熟知するベントゥーラが代表監督になったことで、インモービレが戦力として急成長。新鋭ベロッティも代表に定着しそうだし、ミランで本田圭佑のチームメイトである21歳のアレッシオ・ロマニョーリはフル代表初先発ながらスペイン相手に堂々とした守備を見せた。EURO2016の時には望めなかった戦力の底上げが始まっており、チームの成長を考える上では好材料だ。
一方完成度の高さを示したスペインだが、ウィークポイントとなっていたところが手付かずになっていたことも露呈した。裏を狙われて縦に圧力を掛けると、意外なほどに最終ラインは慌て続けた。ジエゴ・コスタやアルバロ・モラタも、代表では絶対的なCFになりきれていない。相手が守備を固めてくる場合、攻めながらゴールで完結できないということは格下であっても不安要素になりうる。
(文:神尾光臣【ミラノ】)
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