「W杯予選にドラマはいらない。できればスムーズに勝ちたい」
――このまま試合終了だとW杯出場が…と思ったら、山口が劇的な逆転ゴールを決めました! このゴールで日本が勝利を収めています。
「信じられない。凄かったね。冷静に決めた。でも、パフォーマンス的に勝ち点3に値する試合だったかどうかは分からないね」
――山口はこの日が誕生日のようです。彼にとっては特別な日になりましたね。
「そうだね。完璧なお祝いだった。最近の蛍はセレッソであまり良いパフォーマンスを見せられてないけど、あのシュートで本当のクオリティを見せた」
――苦しい展開でしたが、W杯出場のためにはこういったゴールも必要ですね。
「逆にこういう展開になったので、あのようなドラマチックなゴールが必要になった。もししっかりとゲームコントロールが出来たていたら、あのようなゴールは必要なかった。もちろん劇的でとてもスペクタクルになったが、W杯予選ではドラマはいらないね。できればスムーズに勝ちたい」
――試合全体の印象はどうでしたか?
「正直ほっとしたね。ポジティブな考え方で見ると、最後まで諦めなかったので精神的に勇気があった。でも、ネガティブの考え方で見ると絶対に勝たないといけないゲームでギリギリの勝利だった。成長をするためには、ネガティブな考えの方が価値がある。今日は勝ったけど、日が違えば負けていてもおかしくない」
――次のオーストラリアはさらに強い相手です。
「その試合の展開はこれまでと違うと思う。オーストラリアはホームだし、アジア王者だからイラクより攻撃的かな」
――オーストラリアは格上なので、これまでとは違った戦い方が必要になりそうですね。どういう戦いをするべきでしょうか?
「自分のプレーに自信を持たないと。オーストラリアに押される時間は結構あるはずだから、冷静に対応しなければならない。そして、チャンスが来た時に必ず決めなきゃ」
――ありがとうございました。次の試合もよろしくお願いします。
▽語り手:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。「週刊サッカーマガジン」「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などに寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーのJリーグ番組出演も。
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