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日本代表 8年前

浅野、欧州組として日本代表へ合流。ドイツ移籍後に未熟さ痛感も、新たな経験で得た自信

text by 藤江直人 photo by Getty Images

「2部は球際のところがすごく激しい」

 自分自身に何が足りないのか。それは日本代表を率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督から何度も要求されてきた、フランス語で「決闘」を意味する『デュエル』だった。サッカーにおける原点となる、1対1の場面におけるひ弱さ、未熟さを何度も痛感させられたという。

「球際の部分ではすごく厳しいと感じましたし、日本にいたときよりももっと高めないといけないと思っています。もともと課題にはしていましたけど、ボールを失う回数があらためて多いなと。日本のように質の高いパスが来るかどうかというのもありますけど、そのなかでもしっかりと止めて、相手に体を当てて、保持するというのが僕にはまだまだ足りない。

 2部は球際のところがすごく激しいリーグでもあるので、ボールを失った後の切り替えの速さも含めてもっと、もっと上げていかないと、生き残ってくのは難しいと思っているので。ただ球際のところは代表でもすごく厳しく言われる部分なので、それをあらためて世界の場で感じられたことで、自分のなかでずごく大きな何かを得られたと思っています」

 時計の針を巻き戻せば、9月6日のタイ代表戦では不動のワントップ・岡崎慎司(レスター・シティ)に代わって先発出場。後半30分にはキャプテンのMF長谷部誠(フランクフルト)の縦パスに抜け出し、相手DFのキックを頭に受けながらもボールを失わずに突進し、ダメ押しの2点目を叩き込んだ。

 一転して同1日のUAE(アラブ首長国連邦)代表との初戦では、1点を追う後半21分から途中出場。同32分に放ったボレー弾がゴールラインを割ったかに見えたが、審判団の判定はノーゴール。ミートしきれなかった左足での一撃に、浅野は思わず天を仰いでいる。

 6月のキリンカップでは、ブルガリア代表との準決勝で自ら獲得したPKを志願して蹴って代表初ゴールをマーク。しかしながら、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表との決勝では、1点を追う後半アディショナルタイムにゴール前へフリーで抜け出しながら、シュートではなくパスを選択してしまう。

 絶好のチャンスが一瞬にして潰えた消極的な選択。試合後の浅野は敗戦の責任を背負うかのように、人目をはばかることなくピッチのうえで号泣。FW本田圭佑(ACミラン)から「涙を流す意味がわからない」と突き放された。

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