岡崎が振り返るUAE戦の蹉跌
約1年前、岡崎は尊敬する先輩・中村俊輔(横浜)から「お前は今、29歳だけど、ここから消えてく。お前みたいなタイプは足が重くなってムリになっていく」と言われたという。皮肉にもその予言通り、30の大台突入後は代表・クラブ両方で想定外の悪循環に陥りつつある。
それでも、決してネガティブにならないのが岡崎のいいところ。「チームのために自分ができることを全力でやる」という献身的スタンスは全くブレていないのだ。
「UAE戦はその前のボスニア戦(6月=吹田)に負けたのもあって、自信を持ってできなくなっていた。それで、みんながUAE戦で結果を出したい、ゴールを取りたい気持ちが強すぎて『中、中』になったしまった。
『俺だ、俺だ』のサッカーになると中へ入っていってしまうので、僕は点を取りたいけど、チームの流れも見つつ、冷静にやることを心がけたい。レスターでもみんなが点を取りたいのを見ながら自分ができることをやっている。今回もチームが問題を起こすような形にならないようにサッカーができたらいいかなと思います」と彼はベテランらしく、大きく構えて一大決戦に挑むつもりだ。
代表通算50ゴールの大記録も、達成目前で3試合足踏み状態が続いている。その間、21歳の浅野が急成長し、タイ戦でも得点を奪うなど、自身の立場を脅かしつつある。
浅野は「岡崎さんみたいないい見本が僕の目の前にいるので、まずはいい部分をしっかり見て、盗みながら自分のものにしていけたらもっと成長していける。いずれはポジションを奪えるような選手にならないといけないなとは思います」と意欲を前面に押し出していたが、そういう若武者が頭角を現してきたことを、岡崎はむしろ大歓迎している。