ドリブルの対応が緩いイラクDF
その小林にとって不安があるとすれば、パスを出す味方とのタイミングだ。今年に入り代表戦の出場は4試合。そのうち3試合は途中出場でトータルの出場時間はそれほど長くないが、得点を奪えていないのは自分の欲しいタイミングで縦パスが出てきていないことが大きい。
「一緒に練習する時間が短いので、そこは難しいところではありますけど、紅白戦をやれれば、そこでまた中盤の選手とコミュニケーションを取れると思う」と語る小林。
もちろん川崎のチームメートである大島と同時に起用されれば、そうしたパスが出てきやすくなるはずだが、代表でのポジションを勝ち取るためには克服してほしいポイントだ。
もう1つ、イラクの“弱点”となるのがサイドから斜めに仕掛けるドリブルに対する緩さだ。全体的に当たりがタイトで、ハリルホジッチ監督が言うところの“デュエル”に強さを発揮するが、最終ラインで付ききるのか受け渡すのかはっきりしないところがある。特に先の“弱点”と同じサイドバックとセンターバックの関係でそれは起こりやすい。
酒井高徳が相手のウィークポイントにあげていた右サイドバックのアル・ムハウィは来日メンバーに入っておらず、そこには昨年1月のアジアカップで日本戦に出場していたサイードが先発することが予想される。
ただ、どちらにしても組織として問題が生じやすいため、チャンスがあれば左サイドの選手は積極的に斜めのドリブルを仕掛けていくべきだ。その先陣を切るのはおそらく原口元気だろう。正確なボールタッチと高い推進力を生かす力強いドリブルはイラクのディフェンスにかなりの脅威を与えるはずだ。
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