コンパクトな2ラインを作るイラク
ここまで1勝1敗。まだ予選は8試合を残すが、日本代表に対する風当たりは強い。また直後に迎えるアウェイのオーストラリア戦を含め、先を考えればホームのイラク戦は絶対に勝ち点3が求められる試合となる。
イラクはここまでオーストラリアとサウジアラビアを相手に2連敗。やはり国内のメディアやファンから厳しいプレッシャーに晒されていると伝わるが、試合内容はそれほど悪くはなく、4失点は全て後半のものであり、簡単に打ち破れるチームではない。ただし、日本がイラクの“弱点”を効果的に突くことができれば、序盤からでも少なからずゴールチャンスを作り出すことができるはず。
その“弱点”がセンターバックとサイドバックの間にしばしば生じるエアポケット的なギャップだ。イラクは体力のある前半はなるべく高い位置からプレッシャーをかけ、後半は自陣にコンパクトなブロックを作る傾向が強いのだが、どちらにしても最終ラインと中盤の2ラインをかなりコンパクトに維持しようとする意識に変わりはない。
「アジアの中でもしっかり90分間ブロックを作って守れるなということで、びっくり」
最終予選の2試合をじっくり観たという酒井高徳もそう評価する組織的なディフェンスではあるが、中盤にボールを運ぶ相手に対してプレッシャーをかける時にセンターバックが前に押し上げ、サイドバックがステイして構えるシーンが多い。なぜそうした現象が起こるかというと、ブロックの合間でボールを受ける相手にセンターバックが距離を詰めようとするが、サイドバックは相手のウィングに縦を破られることを警戒して、そのままステイするためだ。