大事になるボールロスト後の切り替え
試合を通しては、相手2トップの一角である指宿ともよく渡り合っていた。身長176cmの櫻内に対して指宿は195cm。高さでは勝ち目はなかったが、しつこく食らいつくことはできた。その点への手応えは自身も感じていたが、「でも一つのミスで失点に繋がっているので、そこは評価できない」と肩を落とした。
ミスがなくなればそれが一番だが、サッカーという競技においてそれはあり得ない。大事なのはボールを失った後にいかに素早く切り替え、相手の選択肢を限定し、周囲がその動きに呼応できるか。新潟の出足の鋭さは試合前からわかっていたことで、名波監督もこう評していた。
「立ち上がり30分は非常にいいサッカーをしている。高い位置からボールを奪いに来る、アグレッシブなサッカーを新潟はしてくるので、そこで面食らわずに。耐える時間はもちろんあるだろうし、帰陣させなければいけない時間もある」
監督を交代した新潟がどのようなサッカーを展開してくるか読みにくい面があったとはいえ、原点に立ち戻るという意味でアグレッシブに戦ってくることは読めていた。前半のうちに追いつけたとはいえ、だからこそ22分でビハインドを背負ったことがもったいなかった。
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