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日本代表 8年前

ハリルJ・トップ下は香川より清武を。鈍ってない“試合勘”、司令塔としての適正

text by 元川悦子 photo by Getty Images

連携面でも一日の長がある清武。イラク戦は大きなチャンス

「イラクとは何回も(試合を)しているので特別な印象はないんですけど、W杯最終予選で当たるってことは、たぶん固い試合になるだろうし、イラクもたぶんそこまで前には来ないのかなと。イラクは負けたらすごい厳しくなると思うし。

 だけど中東のチームは一発があるんで、そこがちょっと怖いかなって思うのはありますね」と清武は自身過去三度対峙したイラクを今一度、冷静に分析していた。その言葉通り、今回のイラクは手堅い守りをベースにカウンターを狙うような戦いをしてくるだろう。

 それだけ攻撃のタクトを振るうトップ下は臨機応変にリズムを変化させ、多彩なアイディアを繰り出しながら相手を揺さぶり、ゴールをこじ開けていく必要がある。そういう役割はむしろアタッカータイプの香川より、お膳立てを得意とする清武の方が合っている。

 攻撃陣がどのような構成になるかは全く見えないところがあるが、コンディションを重視するなら国内組で絶好調の齋藤学(横浜)や欧州組で試合に出ている原口元気(ヘルタ)、浅野拓磨(シュツットガルト)がピッチに立つことも考えられる。清武ならこうした面々との連携は問題ない。活かし活かされる関係を十分に発揮できるはずだ。

 イラク戦で本来の輝きを示すことで、日本を勝利に導き、セビージャでの定位置奪回の布石を打つ。日本代表が安定していない今だからこそ、彼には大きなチャンスだ。これまで本田や香川が中心だったチーム像に新たな姿を見せることができれば、日本代表と清武自身にとって大きな一歩となる。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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