「何を持って試合勘が鈍ると言うのか」。記事への疑問
2012年夏のニュルンベルク移籍以来、負傷時を除いてコンスタントにピッチに立ち続けていた清武にとって、クラブで試合に出ずに代表戦を戦うのは初めてのこと。本人も「ヨーロッパに来て5年目でこういうのは初めて。4年間うまくいっていた方だなと思います。こういう環境を自分で選んだので、まあ想定内ですけど、いざそうなってみると、やっぱり悔しい」と本音を吐露した。
それでも試合勘への懸念を問われると「試合勘試合勘っていうけど、別に試合勘はすぐ鈍るものじゃないんで。よく記事でも見ますけど、何を持って試合勘が鈍ると言うのか、僕にはよく分かんないです」と質問を一蹴。今回の代表戦で結果を出し、停滞感を払拭することを、改めて誓っていた。
その清武だが、UAE戦では4-2-3-1の左サイドで先発したが、ハリルホジッチ監督から「清武にはプレースピード、背後のランニングを要求したが、少し背中を向けてしまった状態でプレーしてしまっていた」と苦言を呈され、後半17分に宇佐美との交代を強いられた。その後のタイ戦で原口元気(ヘルタ)がインパクトを残したことから、左サイド争いは熾烈を極めている。
「左ですか…。左で出るんですかね。全然分かんないんですけど」と清武自身も苦笑していたが、彼自身の中では今回こそ「左ではなくトップ下で勝負したい」という思いが強いのではないか。
香川真司(ドルトムント)もクラブで出場機会を大きく減らし、代表合流が彼より1日遅いという事情もあるだけに、イラク戦は思い切って清武のトップ下で挑む方がベターだろう。
実際、彼が真ん中の位置で挑んだ6月のボスニア・ヘルツェゴビナ戦(吹田)も結果的には敗れたものの、自身が先制点を挙げ、司令塔としては効果的な動きを見せていた。ハノーファー時代のいい感触を思い出すうえでも、トップ下で再起を図るというのは、今の彼に必要なことなのかもしれない。