右サイドに限定されていた起用法が拡大
実際今のミランには、こういう仕事のできる人間が左にも不足している。試合中の戦術変更に当たってジャコモ・ボナベントゥーラを前にスライドするだけではやはり駒が足りず、前節は終盤に本来は左SBであるルカ・アントネッリが投入されている。本田ではなかったのは、練習でやっていないことはしなかったという意味なのだろう。
もっともこれをこなせたからといっても、即スタメンの奪取につながることはないだろうし、せいぜい途中出場選手としての使い勝手を広げる、という意味ぐらいにしかならないかもしれない。ただ、右サイドに限定されていた起用法が広がるということなら、試合に使われる選択肢が増えるということを意味する。
早速そのチャンスが、サッスオーロ戦の途中交代という形で実現すれば良いのだが。ミランは近年サッスオーロのいい“お客さん”とされており、モンテッラ監督自身もあまり星勘定は良くない。
相手にはUEFAヨーロッパリーグの疲労が残っているが、攻撃的で厳しいチームということには変わりはない。バランスを保つ意識が重要となる中、本田はそんな面での信頼を勝ち取り、さらなるチャンスを広げることができるかどうかに注目したい。
(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)
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