香川投入も時既に遅し
香川真司が投入されたのは、そんな状況が続いた71分のことである。香川はローデに代わってインサイドハーフに入る。投入直後から香川は、積極的に味方に指示を出し、精力的に動いた。自陣の深くまで守備に戻り、攻撃時にはエリア内に飛び込む。香川が入ってから、チームは落ち着きを取り戻し、ボールも繋がっていくようになった。
しかし、レバークーゼンのどっしりとしたブロックを崩すことはできない。79分にはカウンターから、チャルハノールに左サイドを崩されて、折り返しをチチャリートに決められ0-2。結局これが決勝点となり、ドルトムントは連戦の最後を勝利で締めくくることはできなかった。
香川にとっては、ダルムシュタット戦以来、3試合ぶりの出場となった。しかし、ゲッツェがベンチスタートになり、ゲレイロは左SBで先発したにも関わらず、右インサイドハーフで先発したのはローデだった。出場のチャンスが与えられたように、トゥヘルの構想外となった訳ではないが、状況は依然として楽観視はできない。もっとも、レバークーゼン戦で出番のなかったゲッツェに、これまでのところ目立った活躍はなく、もはや序列を覆す可能性がないとも言い切れない。
レバークーゼンに敗れたことで代表ウィークを挟み、ドルトムントも香川も再び新たなスタートを切ることになりそうだ。
(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)
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