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香川真司 8年前

たった“15分”で終わったドルトの実験。香川投入も時既に遅し、再び新たなスタートへ

text by 本田千尋 photo by Getty Images

15分で実験終了も状況変わらず

 しかし[4-4-2]でブロックを作るレバークーゼンからすれば、トゥヘルの“新システム”は対応しやすいものだったと言えるだろう。カンプルとアラグイスの2ボランチ、チチャリートとメメディの2トップが、そのままドルトムントの中盤のボックスに対応する。よってビルドアップが上手く行かず、ドルトムントはシュートまで持っていくことができない。

 ドルトムントは苦戦しているうちにセットプレーから先制を許してしまう。10分、チャルハノールのCKからメメディにヘッドで叩き込まれ、0-1とビハインドを負った。

 するとトゥヘルは15分過ぎに布陣を[4-1-4-1]に戻す。試合後に同指揮官が「我々にはフィジカル面とメンタル面で疲労があった」と振り返ったように、CLの疲れもあったかもしれない。しかし、コンディションの問題以上にレバークーゼンとは戦術的相性が悪かった。“新システム”の実験は、わずか15分で終わる。

 布陣は変わった。にも関わらず、状況は改善されなかった。ローデとカストロには、引き続きカンプルとアラグイスが対応する。ブロックの中にドルトムントはボールを入れることができない。両インサイドハーフが抑えられ、抜本的には何も変わらなかった。

 20分にはピシュチェクのパスを受けたオーバメヤンが、GKレノとの1対1を迎え、51分にはローデのパスにオーバメヤンが抜け出して、何度かシュートまで持っていく場面も見られたが、単発な攻撃に終始する。ドルトムントはボールを奪うことはできたが、奪ってからの連動や連携に欠けた。

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