伝統の一戦。鍵を握るサイドの攻防
レスター・シティとサウサンプトンが初めて対戦したのは118年前、1898年1月29日のことだった。それから剣を交えること82回。レスターが25勝、サウサンプトン31勝、引き分け26回とほぼ互角の戦いを繰り広げてきた。
83回目の対戦はどちらか。勝負の鍵は両サイドの攻防にありそうだ。サウサンプトンは公式戦5試合負けておらず、好調を維持している。その要因は両サイドバックの働きにあった。
前節3-0で勝利したウェストハム戦で、サウサンプトンのサイドバックはハイライトに何度も登場した。それもそのはず。ボールタッチ回数は左のライアン・バートランドが54回、右のセドリック・ソアレスが65回を記録し、それらの多くが相手陣内だった。
4-3-1-2のフォーメーションを採用し、中盤は3枚のセントラルMFとトップ下で構成するサウサンプトンは、ペナルティエリアの幅で攻撃を組み立てながらサイドバックの攻め上がりを促す。そして機を見て飛び出したインサイドハーフや、オーバーラップしたサイドバックに展開してチャンスを作っていく。
ウェストハム戦ではバートランドが先制点をアシストし、セドリックは果敢な飛び出しで惜しいシュートを放った。また、中央に人を多く配置しているため、高い位置をとったサイドバックがボールを持った際に、3人ないし4人が躊躇なくペナルティエリアに入ってゴールを狙う。
エンゴロ・カンテという超一流のフィルターを失ったレスターの守備陣はボールを奪う位置が低くなりがちで、センターバックの足回りの悪さが目立ってしまっている。俊敏さに欠けるウェズ・モーガンとロベルト・フートの2人が押し寄せるゴールハンター達をいかに止めるか注目だ。