問題はあるが、監督は評価「サッカーに向いていている」
その問題とは交通。近隣まで電車やバスなどが通っていないため、自家用車がないと簡単に来られる立地ではない。もちろん冬季五輪までは補われるというが、この日の観客数には影響があるはずだ。
イ氏も「前節の週末試合では(観客が)900人ほどだった。車がないと正直簡単に来られる場所ではない」と交通の不便さを認めた。江原FCの2016年平均観客数は1,033人(Kリーグ発表値)。チャレンジでも下から2番目で、本来観客が多いクラブではない。平昌開催試合では平均をやや下回る結果となっているのだ。
しかし、この日は得失点差で江原FCより上に位置する3位の大邱(テグ)FCとの自動昇格をかけた大一番。4位で自動昇格を逃す危機にある江原はそれこそ“勝ち点6点”の試合となる。その影響もあり、この日スタジアムを訪れた観客は1404人。平均を上回る数値を記録した。
試合は1-1。ドローとなったが、昇格をかけるお互いの執念がぶつかり合い、内容の濃い試合で魅せた。試合後、大邱FCのソン・ヒョンジュン監督代行はこのスタジアムに対して「正直驚いた」とコメントした。
「ここまでよく作られているとは思わなかった。スキージャンプ台や滝は、選手はもちろん私にとっても不慣れな風景。しかしサッカー専用スタジアムのような雰囲気もあり、サッカーにはとても向いているような印象を受けた」
江原FCのチェ・ユンギョム監督も「和やかな雰囲気」と前提したうえで「ホームタウン活動につながれば」と“異彩なスタジアム”をポジティブにとらえた。
「今日で3試合目。トレーニングは10回ほど行っているが、ちょうどいい涼しさで眺望もよく、サッカーに向いていていると思う。来るたびに和やかさを感じる。また、江原FCは道のクラブ。道の広報につながることであれば力になりたい気持ちは当然ある。選手たちもそうだが、このスタジアムでサッカーをすることを嬉しくとらえている。この試合開催が冬季五輪の力になったらと思っている」