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潜入! 韓国“珍”スタジアム。スキージャンプ台とサッカー場が合体した理由とは? 関係者に聞く

text by キム・ドンヒョン photo by Kim Donghyun

「冬季スポーツの聖地」に作られたスタジアム。人工の滝が異彩を…

江原FC アルペンシアスキージャンプ競技
アウェイ席があるべき場所にはスキージャンプ台が設置されており、コーナーフラッグの後ろには高さ50mの人工滝から水が止まらず流れ落ちている【写真:キム・ドンヒョン】

 ソウルから車でおよそ3時間走ると平昌に出る。海抜700mに位置するだけあって昔からスキーなどの「韓国冬季スポーツの聖地」とされている都市だ。2018年冬季五輪に備え、平昌につながる高速道路は補修作業をしており、市内も各種目に使われる競技場建築に真最中だ。この騒音が止まぬ建築現場からさらに車で3分ほど走ると、唯一試合開催の準備が整っていると言っていいアルペンシアスキージャンプ競技場が姿を見せる。

 初めての印象は、とにかく珍しい。スタジアムの雰囲気がそれこそ異彩を放っている。15,000人を収容できる観客席からまず普通のスタジアムとは違う。アウェイ席があるべき場所にはスキージャンプ台が設置されており、コーナーフラッグの後ろには高さ50mの人工滝から水が止まらず流れ落ちている。

 ホームサポーター席の後ろには展望台が設置されており、ここからスタジアムの全景を見ることも可能。状態のいい天然芝も敷かれており、気候も23度ほど。スキージャンプ台がなければ、サッカー専用スタジアムと錯覚するほどのクオリティだ。

 しかし、どう考えても奇策としか受け止められない。なぜ江原FCはここで試合を開催しようとしたのか。江原FC広報担当のイ・ヒョンヨン氏は「ホームタウン活動の一環」と説明した。

「江原FCは道クラブで、道の中にある都市ならホームとして使用ができる。クラブと江原道開発公司が協調し、ここをホームとして使う企画が実った。冬季五輪の開催地を広報しようという考えもあった。そのため、文化体育観光部(日本の文科省とスポーツ省のような役割を担う官公庁)も支援を惜しまなかった。ここの芝や観客席の設置も文化体育観光部の支援をもらっている」

 最も肝心な、サッカーができる環境に関しても引証済み。着地場であるアウトランが、Kリーグが定めるスタジアム規格にちょうど収まったのもこの企画の現実化を手助けした。「観客席も上手く入るなど、規格面では問題なかった」とイ氏は語る。Kリーグのマッチ・コミッショナーがこの日スタジアムを訪れ、綿密にチェックする様子も見られた。

 ただ、問題がないわけではない。

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