26人を招集したハリルホジッチ。欧州組のほとんどは試合に出られず
「このリストを作るのは簡単ではなかった」
アジア最終予選の10月シリーズに向け、ハリルホジッチ監督は26人の選手を招集した。通常1試合にベンチ入りできるメンバーは23人であり、3人多い計算になるが、DFの3人(吉田麻也、森重真人、酒井宏樹)がイエローカードをもらっており、2試合目に出られなくなる可能性があること、怪我人が出た時の備えを主な理由にあげた。
「あとは戦術のチョイス、特にフィジカル面で、ホームとアウェーで使い分けないといけない」
そう語った指揮官だが、それらの理由に増して大きく影響していると考えられるのが、欧州組の大半がクラブで試合に出られていないことだ。前回は24人が選ばれた(長友佑都と槙野智章が怪我で辞退したため、遠藤航と丸山祐市が追加で招集。さらに昌子源が離脱し、植田直通が追加された)が、そこから14人の欧州組は1人も外れないまま、フランスのメスに所属するGK川島永嗣が加わる形となった。
「プレーしていない選手、彼らを外したら他に誰が代わりにいるかといったことも考えなければいけない」
そこにはハリルホジッチ監督の彼らへの強い信頼と同時に不安も見え隠れする。15人のうち、週末のリーグ戦で試合に出たのは原口元気(ヘルタ・ベルリン)、酒井宏樹(マルセイユ)、酒井高徳(ハンブルガーSV)、浅野拓磨(シュトゥットガルト)の4人だけ。香川真司、岡崎慎司、清武弘嗣の3人はミッドウィークに行われたチャンピオンズリーグでも出番が無かった。ヨーロッパリーグで吉田麻也(サウサンプトン)と武藤嘉紀(マインツ)が先発出場したが、それでも9人が出られていない。
DF、MF、FWのそれぞれに“試合に出ていない選手”がいる。そんな状況でも彼らを外すことができない理由として指揮官は「海外で行われているフットボールと日本で行われているフットボールには歴然の差がある」と語り、走行距離の資料を掲げて国内組だけで臨んだ東アジア杯の走行距離が最も低い数字であったことを事例にあげた。