リーガの6試合で6つの布陣を採用
どこから話を始めるべきだろうか……。サン・マメスでのアスレティック・ビルバオ戦で、サンパオリのセビージャは初黒星を喫した。いつかは訪れるべきものだが、むしろ不思議なのはもっと早くその時が来なかったことだ。ビジャレアル戦やラス・パルマス戦は最後まで結果がどう転んでもおかしくなかったし、エイバル戦でのセビージャは冴えない戦いをしていたからだ。
土曜日のビルバオでの試合のように、負けるべき戦いをすれば負けるものだ。いくらナスリがチームの中心になろうと奮闘し、前線をサポートしつつ後方からプレーを組み立てるためセンターバックの前まで下がってきていても、周囲はそれに噛み合わなかった。マリアーノやサラビアは時折絡んでいたが、それくらいだ。
アルゼンチン人指揮官は、リーガの6試合で6つの異なる布陣を用いた。そのローテーションの方針に沿って、ベティスとのダービーマッチを制したメンバーからまたも半分以上を変更。シリグ、コロジエチャク、クラネビッテル、サラビア、コレア、カルロス・フェルナンデスが先発入りとなった。そのシリグがPKと退場の場面で披露した愚行については、もう少し先で語ることにしよう。
メンバー変更が正当化されるのは、その賭けが的中した場合だ。だがセビージャは、試合が始まるとすぐに守備面の力不足を露呈し、危険を生み出す局面においても無力だった。程なくセビージャのゴール前へ顔を出し始めたビルバオは、30分が過ぎたところで最初のゴールを奪う。CKからの低いボールをデ・マルコスが触ると、ボールは誰も妨害する者のいないサン・ホセのもとへとこぼれた。