森山監督を抜擢した原博実氏「育成スペシャリスト監督になる可能性は十分ある」
2014年のU-16、U-19世代のアジア最終予選で揃って敗退し、「育成の危機」が叫ばれていた日本サッカー界。90年代から2000年代にかけては、年代別代表が世界大会に連続出場することで優れたタレントが育ち、A代表のW杯連続出場という好結果がもたらされていた。
その循環を途切れさせないためにも、今回の2016年AFC・U-16選手権(インド・ゴア)での4強入り、U-17W杯出場権獲得は至上命題だった。森山佳郎監督と選手たちはその重圧を跳ね除け、キッチリとノルマを果たしてくれた。
森山監督の抜擢に携わったのが、かつて日本サッカー協会技術委員長を務めていた原博実Jリーグ副理事長である。JJP(JFA=日本サッカー協会/Jリーグ協働プログラム)の一環で、Jクラブのユースダイレクター・育成指導者22人とともに現地を訪れ、大一番を興味深く観戦した同氏は、森山監督の手腕を改めて高く評価した。
「彼は広島(ユース)で結果出していたので、当然、そういう人を代表監督にしていこうと考えた。彼は現場が好き過ぎて(笑)、S級に行かないという話を聞いていたんで、僕が広島と話して『いずれは代表監督にしたい』と要請した。ただ、当時のU-17代表は吉武(博文=現FC今治監督)が指揮していた。
吉武は森山とは全く違うタイプで吉武のよさもあるんで、森山にはまずS級を取りながらアシスタントコーチとしてやってもらい、今回のU-16代表を見てもらうことにした。その流れでいい感じでここまで来て、世界大会出場を決めてくれた。森山には育成スペシャリストの監督になる可能性は十分ある。また彼のよさをどんどん出したチーム作り、指導をやってもらいたい」と原副理事長は前向きに語っていた。