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本田圭佑 8年前

ミラン、指揮官のチーム作り進むも本田は出番なし…安定化図る守備組織と果敢なサイド攻撃

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

確実に進むチーム作り。3試合連続の無失点

 さらにミランは、フィオレンティーナ相手に特別な対策も盛り込んでいた。彼らの攻撃で一番怖い戦術の一つは、ボルハ・バレーロらによる中盤から裏への飛び出しである。このためモンテッラ監督は、ユライ・クツカをその警戒役に任じた。

 相手ボールになった時にミランの選手は守備ラインを形成して引くが、その際クツカはボルハ・バレーロを見つつ、スペースを埋めるように最終ラインと同様の位置で守備に入った。

 そして、相手が飛び出してくれば自分が張りついてカバーリングに出る。こうした守備により、試合中数度相手の突破を阻止したシーンもあった。リッカルド・モントリーボも含め、彼ら中盤の選手が最終ラインをよくフォローして粘り強くスペースを埋めたことが、チームの堅守につながっているのである。

 ミランはこれで3試合連続の無失点である。組織の成長があればこその結果だ。モンテッラ監督は「まずはチーム戦術を固めること。それが各選手に浸透すれば、選手たちは自然と個人の力量を発揮するようになる」と語っていたが、その面でのチーム作りは確実に進められている。本田もその流れに乗って出場機会をもっと得られるようになれば、なお良いのだが。

(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

【了】

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