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本田圭佑 8年前

ミラン、指揮官のチーム作り進むも本田は出番なし…安定化図る守備組織と果敢なサイド攻撃

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

モンテッラ監督が構築した基本戦術。攻守で切り替わる布陣

モンテッラ
攻守においてチーム作りを進めるヴィンチェンツォ・モンテッラ監督【写真:Getty Images】

「確かに美しい内容ではなかったかもしれないが、選手たちからは『勝ちたい』という気持ちを見ることができた」とモンテッラ監督は笑顔で語っていた。確かにそれは、戦術上のハードワークという形でプレーにはっきり見てとることができた。

 基本戦術は、大分形になってきている。システムは4-3-3、だが攻守両面でそれぞれ別の並びの表記が必要になるくらいに収縮を繰り返す。守備の時には両ウイングが絞ってさながら4-5-1のコンパクトな守備組織を形成。一方ボールを奪うと、両ウイングは中へと絞り、両脇に空けたスペースへ両サイドバックがいっぺんに上がる。

 普通は被カウンター対策として後方に守備の枚数を残す関係上、ボールサイドと反対側のサイドバックは上がらない場合も多い。しかしモンテッラ監督の場合は、両サイドにFWを追い越させて高い位置を取らせる。

 その代わり三枚の中盤のうち一人は最終ライン近くまで下り、守備上の人数合わせ、後方からの組み立ても担当する。モンテッラ監督はカターニアやフィオレンティーナ時代に3バックを多用して好成績を挙げた。その当時と攻撃のコンセプトは同様だが、守備の際は4バックにすることで安定を図ろうとしているが現在のミランでの取り組みだ。

 そしてフィオレンティーナ戦では、この攻守の切り替えに見せるハードワークが機能した。守備では各選手が最終ラインに寄って細かくスペースを消し、また相手選手にピタリと張り付いて攻撃を限定する。

 かと思えば、ボールを奪うと11人中5人のプレイヤーが攻撃に行けるような体制へと素早く切り替える。これを90分間勤勉にこなしたことで、相手のシュートチャンスを潰しつつ、危険な攻撃のチャンスを作るということができていた。

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