「タケのところで仕掛けたら」。久保への期待感
期待がかかる久保建英【写真:佐藤博之】
強固な守備組織を構築できれば、あとは攻撃陣が決めるべきところで決めればいい。16日のベトナム戦と22日のオーストラリア戦で各1点ずつを叩き出しているエースFW宮代もその自覚をより強めている様子だ。
「オーストラリア戦前半も何度かチャンスがあった中、決めきれずにいた。UAE戦はオーストラリア戦ほどチャンスがないと思うし、最初のチャンスで決めきることは意識していきたい。
相手は守備固めてくるんで、ミドルシュートとか、振り向きざまのシュートとか、やっぱり今までにないシュートの形を増やしていきたいと思います」と、彼は意外性のあるプレーを出して、日本に世界切符をもたらすゴールをもぎ取るつもりだ。
彼ら3人のみならず、今大会4ゴールずつを挙げている棚橋、久保が貪欲に仕掛けて相手のファウルを誘い、PKやFKを取ることも重要だ。森山監督もこの日の練習で久保に対して「タケのところで仕掛けたら相手はズルズル下がってくるから、引っかければPKをもらえる」と練習中にも熱っぽく語りかけていた。どんな時も冷静沈着な背番号9なら指揮官の要求を忠実に遂行できるはず。その潜在能力の高さを大舞台で示してほしい。
彼らチーム全体がそれぞれの持ち味を出し、組織としての一体感や連動性を発揮できれば、日本がUAEに足元をすくわれるはずはない。U-16日本代表は4年後の東京五輪や2022年カタールW杯を見据える上で、重要な世代。少しでも国際試合の経験を増やすという意味でもU-17W杯を逃すわけにはいかない。UAE戦は勝利が絶対条件だ。
(取材・文:元川悦子【ゴア】)
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