悪天候の練習も本番モード。激しい当たりも
AFC・U-16選手権(インド・ゴア)のグループリーグ3試合で合計21得点を挙げ、3連続大勝でベスト8に勝ち上がったU-16日本代表。しかし、森山佳郎監督が「まだ何も得ていない」と繰り返し強調している通り、真の戦いは25日の準々決勝・UAE戦に他ならない。
この大一番に勝てば、2017年にインドで開催されるU-17W杯出場権を確保でき、チームの活動継続も決まる。が、万が一、敗れるようなことがあれば、チームはその時点で解散となってしまう。
「今後1年間の強化ができなくなるのは非常に痛い」と指揮官もコメントしていたが、2020年東京五輪、2022年カタールW杯を見据えても、最悪のシナリオは回避しなければならない。個性的な選手が多いと言われるこの世代には、アジアをぶっちぎりで勝つくらいの強さを見せつけてもらう必要がある。
2大会ぶりの世界切符のかかる決戦に向け、U-16日本代表は23日、午前11時からトレーニングを行った。この日は当初、10時半の練習開始予定だったが、同日のゴアはこれまでにない豪雨に見舞われた。このため、スタートが若干、遅れる形になった。
それでも、ここ2日間離脱していた山田寛人(C大阪U-18)含む23人の選手たちは、全く動じる様子もなく、ピッチに登場。泥だらけになりながら、ボールに食らいついていた。
前日のオーストラリア戦の控え組7人で実施した2対2+フリーマン+GKの練習では、キャプテンの福岡慎平(京都U-18)らが凄まじい勢いでスライディングタックに行き、久保建英(FC東京U-18)が悪条件下でも淡々とゴールに向かうなど、全員から凄まじい闘争心が感じられた。
少し早めにクールダウンを終えた前日主力組の鈴木冬一(C大阪U-18)が「今まで悪いピッチで練習してきた分、アジア予選でもよさを発揮できている。この遠征前も何回もプレーしているので慣れたところもあります。こういうピッチでもみんな自然にスライディングとかを出して戦うことができている。それはいいことだと思います」と語っていたが、そのタフさこそが森山監督が強く求め続けてきたものだ。それをUAE戦で前面に押し出してくれれば、若き日本がこの段階で躓くことなどないはずだ。