苦労しつつも積み上げている勝点
清武のほかサラビアやナスリ、ムド・バスケス、コレアなどクオリティーの高い選手たちを加え、セビージャは中盤を強化した。加えて、ビトロの存在もある。現在のリーガで最も好調な選手の一人であり、常にチームを牽引する姿勢を持った選手だ。その中から、最も良い状態にある選手が起用される。ごく単純なことであり、そうでないものはベンチに、あるいはスタンドに座ることになる。えこひいきも無ければインチキの余地もない。
このセビージャの賭けは、誰よりもまずサンパオリにとっての勝負であり、彼にとって海を渡った新天地での自己紹介のようなものだ。指揮官はその挑戦を勝利で終えたいと望んでいる。
相手に応じて、ローテーションの中で清武の出場機会は増えもすれば減りもするだろう。そして彼は、セビージャが保有権を持つ選手だ。レンタルで加入した選手も多いが、清武には今後4年間の契約があり、セビージャに腰を落ち着けたいという意志がある。8月以来、チームが戦った9試合のうち5試合に出場して1ゴール2アシストを記録しているが、まだまだ先は十分に長い。
差し当たって今後は、サン・マメスでのアウェイゲームと、サンチェス・ピスファンにオリンピック・リヨンを迎えてのCL第2戦が待ち構えている。清武が出場するのかどうかは待ってみなければ分からないだろう。
サンパオリがチームを操るのに苦慮しており、選手たちがまだ監督の要求に適応しきれていないとしても、大事なのはセビージャがリーガとCL初戦でここまで無敗を守っていることだ。リーガでは勝ち点15のうち11を獲得している。もう少し我慢強く見守るには十分な成績だ。
(取材・文:ロシオ・ゲバラ【セビージャ/マルカ】)
【了】