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清武が挑むセビージャでのポジション争い。新加入選手ひしめく中盤。新指揮官の野心【現地記者の目】

text by ロシオ・ゲバラ photo by Getty Images

時間的余裕が与えられないポジション争い

セビージャの中盤には、サミル・ナスリら何人もの実力者が加入した
セビージャの中盤には、サミル・ナスリら何人もの実力者が加入した【写真:Getty Images】

 セビージャを率い始めてからの短い期間にアルゼンチン人指揮官が示してきたのは、どの選手も絶対的な存在にはしないということだ。ダービーという重要な試合に、カリーソとラミを負傷で欠いて臨んだセビージャだが、サンパオリはコロジエチャクを躊躇なく外して下部組織のDFディエゴ・ゴンサレスを招集した。

 状態が良くなければプレーすることはない。ガンソとベン・イェデルも、今季最初のダービーマッチをスタンドから観戦しなければならなかった。つまりは”椅子取りゲーム”だ。音楽が止まった時、注意力を欠いた者、スピードがない者、調子が良くない者は押し出されてしまう。

 サンパオリのサッカー観はアグレッシブでスペクタクルなものであり、欧州での挑戦が初めてだとはいえ彼には野心も経験もある。セビージャは、監督が自身のやり方を植え付けられるメンバーを揃えることを意図してきた。だがその結果として、現監督が要請した補強ではなかった者も含めて9人の新戦力を加えたメンバーには、自信と時間が不足している。シーズンを戦いながら余分な時間を取るという贅沢は許されない。

 清武はセビージャで幸福を得られている。ドレッシングルーム内での親しみやすい性格により非常に愛されており、プロ意識も強い。言葉を理解し始めるのにさほど時間を要することもなかったし、セビージャの文化や習慣を楽しむことができている。

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