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データは“お守り”。それだけでは勝てない【サッカーデータ革命最前線―04】

シリーズ:サッカーデータ革命最前線 text by 本田千尋 photo by Prozone , Getty Images

ポゼッションの「%」。踏み込んでオープンにできるか

プロゾーン
プロゾーンのアジア部門で働く浜野裕樹氏【写真提供:プロゾーン】

 アジア部門の浜野裕樹氏は「結局、最後は人なんです」と強調する。

「分析の分野に手を出してみたい、勉強してみたい、という方々を対象とするグラスルーツもプロゾーンは行っています」

 データは人間が使って初めて活きてくることは既に触れた。“エデュケーション”においてもプロゾーンのコンセプトは変わらない。

 そして浜野氏は、こういったワークショップを日本においても行う計画を練っている。

「(第2回のコラムで取り上げた)プロゾーンの強みである分析の4ステップのメソッドを日本でも展開できたらいいですね。プラス、人材育成です。分析という分野に関して私達、日本人は世界と同じくらいのポテンシャル、もしくは、それ以上のものを持っていると思うんですよ。だからプロゾーンのアジア部門として、日本で“エデュケーション”をやりたいですね」

 さらにプロゾーンには、一般者を対象とするワークショップだけではなく、メディア関係者との意見交換の場を提供する準備もある。今では、パス本数や走行距離といったデータを単に示すだけでは、選手側に響かない。そして、それは選手側に対してだけではないのかもしれない。

「例えばポゼッションの%だったら、自陣のポゼッションと、敵陣でのポゼッション、さらに相手が4-4でブロックしたときに、どれだけその間にパスを入れられたか、そこまで踏み込んだデータを公開できるようになったら、おそらく一般の観戦者もそこを見ると思うんですよ。メディア関係で造詣のある方は、自分の目、プラス、そのデータを見て、記事を書く上でこれまでとはちょっと違った視点が出てくるかもしれないですよね」

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