短い出場時間でも積み重ねが重要に
会見の中でモンテッラ監督は「チームにとってポジション争いは良いこと」と語り、前節守備固めで終盤に投入されたDFグスタボ・ゴメスを引き合いに出して「試合で結果を出すためには、練習の段階から競争力が保たれていることが大事。また交代出場した場合、交代は3分でも重要なものだ」と控え選手へのモチベーションを喚起することも忘れなかった。
昨季のラツィオ戦(アウェイ)の時もそうだった。当時右ウイングあるいは4-4-2の右サイドハーフとして、序列ではアレッシオ・チェルチの下の2番手を務めていた本田だったが、終盤での短い時間で投入されたのち懸命に体を張っていた。
試合の趨勢はほぼ決まっていたため、傍目には意味のない交代とも見えがちだったが、こうした短い試合出場の積み重ねが1ヶ月半後のフロジノーネ戦の先発抜てき、並びにアシスト等の活躍へと繋がっていくのである。
もちろん、当時はそんなことなど知る由もなかった。今回も、小さなきっかけからチャンスを引き寄せることができるか。
(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)
【了】