「必ずまた(日本で)チャレンジしたい」
韓国に戻って3年。日本語を忘れているかもしれないというのはまさに杞憂だった。チームメートだった津田知宏(徳島)や都倉健(札幌)などとは今でも頻繁に連絡を取り合う仲。「入隊して韓国語が上手になった」と冗談をいうほど日本語も上達。日本でのプレーも視野に入れている。
「(日本で)もちろん苦しい時間もあった。しかしそういった時間があったからこそ今の自分がいる。もしそこで挫けたままにいたら、落ちこぼれになってしまったと思う。またサッカー指導者として日本で学ぶものがまだまだたくさんある」
日本のファンに感謝の一句も忘れなかった。
「あの時、いきなりクラブを去ることになって監督、クラブ、チームメートはもちろんファンにも申し訳ない気持ちがあった。そして今でもわざわざ日本から試合を見に来てくれている方がいる。その方たちに日本でプレーする姿を見せるのがある種の恩返しではないかと。いつになるかわからないが、必ずまたチャレンジしたい気持ちもある」
彼は現在除隊して仁川に復帰している。仁川はここまで42失点と守備の弱体化に悩んでいる。最下位で2部降格の可能性も大きく、1ヶ月前には元ヴィッセル神戸のキム・ドフン監督が解任されるなど、混迷している状況だ。
彼の守備力にチームやサポーターがかける期待も当然大きい。来年末まで契約を結んでおり、日本の舞台で彼を見るのはまだまだ先の話かも知れない。しかし、期待はできる。
もう少し経てば入隊を経験し一サッカー選手、そして一人間として一回り成長したペ・スンジンに必ず会えるはずだ。何よりほかの選手たちが経験していないサッカーへの切実さを彼は感じることができた。成長したペ・スンジンは日本に大きなものをもたらすだろう。
(文:キム・ドンヒョン【城南】)
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