すべての工程を請け負う強み
これら【1】から【4】までのステップが、分析の世界における一般的な流れだ。しかしその全てを扱っている会社は他に見当たらず、プロゾーン特有のものである。
例えば世の中には、ステップ「【1】ビデオを集める/撮影する」だけに特化した会社も存在する。それだけで言うと、その会社のソフトウェアの方がプロゾーンのものよりも性能が良い場合がある。それとは逆に、「【2】ビデオを加工・編集する」ソフトウェアであればプロゾーンの方が良い場合もある。それぞれの段階で、様々な会社が競合している。
そんな群雄割拠の中、プロゾーンはすべてのステップをひっくるめて取り扱い、すべての顧客に対して包括的なサポートとして提供できる状態となっている。そしてプロゾーンは、顧客と単年契約は結んでいない。
各々のチームの予算が前提にはなるが、プロゾーンのコンセプトは、あくまで長期的な視点でのチーム強化に重きを置く、というものだからだ。そのためには複数年を要する。
そのような視点から、ドイツ代表に対しては【1】から【4】の流れをぐるぐると10年以上サポートし続けている。現場にスタッフがコンサルタントとして入り込みながら、こうした手厚いサポートも行っているのだ。
もっとも、全ての顧客が【1】から【4】のステップのすべてのサポートを受けている訳ではない。クラブAはステップ【1】だけ、クラブBはステップ【1】から【3】、クラブCはステップ【4】だけ、といった具合に、各顧客のニーズに併せてサポートを提供することもできる。
「オール・イン・ワンでありながら、ティムが言ったように、割とオーダーメードなんです」
柔軟性を保ちつつ、目先の利益だけに囚われない。長期的な視点でチームを強化する。それもまたプロゾーンの“強み”である。
(取材・文:本田千尋【デュッセルドルフ】)
【了】