“タグ付け”“シェア”。アプリ活用で共有がさらに容易に
次に「【2】ビデオを加工、編集する」の第二段階に入る。ピクセロットやポータルで集めた映像から、素材を切り取る。
「GAMEPLAN(ゲームプラン)というソフトウェアを使うと『タグ付け』ができるんです。集めたビデオの中から、ある選手のシュート集、ゴールセービング集といった具合に編集して、MDの頭出しみたいにしておくことができるんですよ。そこをピッと押せば、すぐに映像集を見ることができる」
浜野氏がアンダーのドイツ代表の試合を訪れると、プロゾーンのスタッフが試合中に携帯のアプリを使用し、ライブでタグ付けを行っていた。試合終了後に撮影した映像とタグを同期する作業を行うことによって、分析官の仕事は大幅に短縮/細分化することが可能になる。
そして集めて加工したビデオを「【3】チーム内でシェアする」。分析の4段階の中で、現代の流れの影響が色濃く見られるのが、この第三段階だ。
「チーム内でシェアするときには、ゲームレンというアプリを使います。まず、タブレットやスマートフォンなどでダウンロードしてもらうんです。そうすると例えば、合宿の一週間前、チーム全体に練習テーマや対戦相手の情報などを、いっぺんに送ることができるんですよ。LINEのグループ通知のような感じです。そうやってシェアしておいて、チームが集合したときにはもう皆が知っている」
ただし、こうしたアプリの使用が、決して一般化しているわけではない。浜野氏は「新しいコミュニケーションの仕方の1つ」と捉えている。
「アプリで情報をシェアするから、チーム全体でミーティングをしないかといったら、そうではなくて、もちろんするんです。個人個人、グループ毎にミーティングもする。ですが例えば、特に代表チームは集まる期間が少ないので、こうした方法のほうが合理的な場合もありますよね。新しいコミュニケーションの形があってもいいのではないか、といったところです」