新生ドルトムントの鍵を握る「速ぇやつら」
一風変わった新スタイルについて、香川は試合後に嬉々として語った。
「本当にサイドに速ぇやつらがいるんで(笑)。彼らを活かしながら、逆に自分がどうやって活きるのかというのは、このチームも形になりつつある」
中盤の底でローデとバイグルが横と縦に関係を築きながらビルドアップを担う。両サイドには香川が「速ぇやつら」と砕けて呼んだドリブルを得意とするモルとプリシッチを配置。そして攻撃のタクトを振るうのは、2列目の「中央」に入る香川とカストロだ。
「サイドの選手を活かすには中央が絶対に大事。ゴンソ(カストロ)だったりマリオ(ゲッツェ)だったり、そういう選手が中央での技術だったり、テクニックを発揮できると思うので、バランスはよいのかなと思っています」
スピードを武器とするサイドアタッカーを活かしながら、活かされるには、中央に入る選手の「技術」と「テクニック」が重要になる。
新たな[3-2-4-1]でドルトムントは、10人のダルムシュタットを蹂躙する。ダルムシュタットは57分にニーマイヤー2枚目のイエローで退場し、既に死に体だった。
76分、ローデが左サイドのプリシッチへ。プリシッチの折り返しをカストロが決め4-0。84分、バイグルがエリア内右のカストロへ。カストロの折り返しにローデが飛び込み5-0。88分、右サイドのプリシッチのクロスから、モアがワントラップでDFを交わすと、ボールをネットに突き刺しドルトムントは6-0でダルムシュタットを一蹴した。
この[3-2-4-1]は、ライプツィヒ戦で露呈したビルドアップの課題に対するトゥヘルの解答とも言えるだろう。
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