”賢い戦い方”で1ポイントを手に入れたCL初戦
守備的な戦いで勝ち点1を手に入れたサンパオリ監督【写真:Getty Images】
チャンピオンズリーグの初戦となったユベントス戦では、清武は招集メンバーに復帰し、トリノへ帯同した19名のメンバーの中から外される最後の1人にもならなかった(サンパオリが外したのはベン・イェデル)。
だが、この試合で必要とされていたのは別のプラン、別の選手たちだった。ユーベの力に対抗するため、よりフィジカルの強い選手で中盤を強化する必要があった。純粋なFWを置かず攻撃を放棄したセビージャは、マリオ・レミナ、パトリス・エブラ、クワドゥー・アサモア、パウロ・ディバラらに対抗するため、ステベン・エヌゾンジ、ビセンテ・イボーラ、マティアス・クラネビッテルの3人を中央に配置した。
このセビージャの賭けは奏功した。これまでと異なるサッカーでユーベを止めることに成功し、グループで最も厳しいスタジアムでの最も厳しい相手との試合で1ポイントを手に入れて初戦を終えることができたのだ。グループの今後の展開によって、計り知れない価値を持つことになるかもしれない1ポイントだ。
サンパオリ率いるセビージャは、ユベントス戦ではスタイルが軌道から逸れたとはいえ、ここまで賢い戦い方をしてきた。リーガでは9ポイント中7ポイントを獲得し、ユベントス・スタジアムでも1ポイントを獲得したという数字がそのことを物語っている。
アッレグリのチームとの試合で清武が出場機会を得られなかったのは、たとえばエスパニョール戦のような、魅力的な攻撃志向の戦い方が提示されなかったためだ。今回は別のタイプの試合だった。だが、これから日程は詰まってくるし、清武の時間もすぐにやってくるだろう。相手が変われば、必要なものも戦い方も変わってくる。
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