復調の香川、ゲッツェと共演する可能性も
ゲレイロはレギア戦で左のインサイドハーフに入って、好パフォーマンスを見せたが、本職はSBだ。試合中には簡単に前を向き続けることができたが、それはレギアの守備の問題でもある。仲間を活かすプレーでは、昨季の前半戦でこのポジションに慣れた香川に軍配が上がるだろう。
[8番]としての香川がSBとCBの間に下がってボールを受けることで、バイグルのビルドアップの負担を軽減することが出来そうだ。バイグルに対するマークが甘かったため、レギア戦では表面化しなかったビルドアップの課題について、ダルムシュタット戦では取り組めそうである。
右足首の負傷により、レギア戦では大事を取って出場のなかった香川だが、自分が出場した時のイメージは持ちながら、アップを続けていた。
「試合を見ながら、ボールを持った時のイメージであったり、みんなのプレーを見ながらイメージを広げたり、常にそういうイメージは持っているので、次に出たときに、しっかりと結果を残すようにしたいと思います」
試合を見ながら「イメージ」を抱くのはレギア戦に限ったことではない。また「イメージ」を持つことに限らず、香川は試合に向けた準備を「常に」怠らない。香川は“準備をする人”とも言える。
コンディションは順調に回復している。もちろんカストロを[8番]で起用することも考えられるが、ダルムシュタット戦で、香川が出場する可能性はあるだろう。
香川とゲッツェをインサイドハーフに並べる布陣は、プレシーズンの8月9日に行われたアスレティック・ビルバオ戦で既に試されている。ビルバオ戦でその布陣は機能しなかったが、プレシーズンということもあり、チームのコンディションはまだ整っていなかった。
ダルムシュタット戦は、[8番]としての香川と[10番]としてのゲッツェを起用するチャンスでもあるはずだ。
(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)
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