香川がベンチで見た「楽しそうなプレー」。リーグ戦敗北の嫌な流れを払拭
ドルトムントが「楽しそうに」ボールを回したレギア戦で、少し目立ったのは内側にポジションを取るウインガーである。5分、インサイドのポジションでプリシッチがオーバメヤンへラストパスを送る。ここはオフサイドとなったが、12分には同じような形でプリシッチがオーバメヤンにボールを送り、今度はGKと1対1の状況を作り出した。
また、逆サイドにもポジションを移すなど、ウインガーは比較的自由に移動している。このようにしてドルトムントは、少しずつ攻撃に変化をつけようとしているようだ。
もっともドルトムントが戦ったレギア・ワルシャワは、果たしてブンデスリーガのレベルに達していたかというと疑問符がつく。DFラインはバラバラで、チームとしての守備は形を成さず、レギア戦でドルトムントは30本ものシュートを放った。枠内シュートは15本である。
そして前半だけでなく、後半にも3得点を奪う。最終的にドルトムントは6-0のスコアでレギアを下し、2季ぶりのCL初戦を勝利で飾ったが、レギアは圧倒的な力の差を見せつけて当然の相手だったとも言える。
それでも、10日にライプツィヒに手痛い敗北を喫してからの、少し嫌な流れを払拭できたことは大きいのかもしれない。
香川は言う。「もう1回しっかりと、この勢いを続けて行けるように、行きたいと思います」。ドルトムントが上昇気流に再び乗り始めた、レギア戦だった。
(取材・文:本田千尋【ワルシャワ】)
【了】