サッカー選手も同じ人間。好調も不調もある
調子の良くない時に我慢強く使い続けても、彼をさらなる批判に晒してしまうだけだ。プレッシャーはより強くなり、彼をさらに殻の奥へと閉じ込めることになってしまう。
「精神がすごく脆くなってしまうような瞬間もある」とイニエスタはインタビューの中で、人生における困難な時期が自身のプレーに影響した体験について話していた。
「たくさんの疑問を感じてしまう。人間は1人ひとり違っていて、1つひとつのケースも違っている。僕が言いたいのは、好調から不調へとあっという間に落ち込んでしまうこともあるということだ」
「周囲の人々は、サッカー選手を何か別の存在のように見ている。不可侵な存在で、何の問題も起こらないかのようにね。でも、僕らは人間なんだ。もちろん特別な立場にはいるけど、人間という同じ存在であることに変わりはないよ」
それは、香川のことを考える時にも忘れてはならないことだ。彼が代表でのプレーをあまり楽しめているように見えない現状では、お互いに距離を置くことが彼にとっても代表チーム全体にとっても良いことかもしれない。少しスポットライトから離れて気持ちを落ち着ければ、再びサッカーを楽しむこともできるようになるだろう。
(文:ショーン・キャロル)
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