ウォルシュは退団も…今夏の補強の多くに関与
一部では、昨季までのアシスタントマネージャーでクラブのスカウト長を務めたウォルシュがエバートンに引き抜かれて、移籍市場での立ち回りが拙劣した結果との声も聞かれる。だが、今夏に獲得した大半は彼がクラブに在籍している時点で決まった契約である。
7月に退団した際、ウォルシュは地元紙『レスター・マーキュリー』のインタビューで次のようなコメントを残している。
「レスター・シティで過ごしたすべての時間は、とても充実したものだった。この偉大なクラブが今季も成功のシーズンを送れるよう、戦力が整った状態でクラブを去るものだと考えたい。実際に最高の状況だと思う。今夏に加入した4選手(ロン=ロバート・ツィーラー、ルイス・エルナンデス、メンディ、ムサ)は、素晴らしい投資と自負している。クラブを去るギリギリまで仕事をしていたんでね。(笑)」
また8月上旬に発表されたバルトシュ・カプストゥカの獲得も、実際はウォルシュ主導で始まった移籍交渉とされている。つまり、移籍市場が閉まるギリギリに行われたスリマニ以外のすべての補強は、この51歳のウォルシュが絡んでいたことになる。
そのため、もし前述のような指摘があるとすれば、それはスリマニ獲得のときにしか当てはまらない。「有能な選手を安価で」という“ウォルシュ流”のリクルート戦略ができなくなった結果、それが1選手に対して3000万ポンド近い移籍金を投ずる事実につながったのかもしれない。しかしその最大の要因は、前述したとおり、プレミアリーグのクラブに対する移籍金高騰だ。
ウォルシュ自身は、前出のインタビューで「我々の部署にも優れた人材が揃っている」と語り、「レスターは常に、後任者のプラニングの重要さを意識して行動してきた。(自分が抜けても)問題なく仕事をしていけるはずだと、私は信じている」と胸を張っている。