レスターの補強方針はブレていたか?
今回編集部からいただいたテーマは、「レスターの補強方針はブレているか」だった。基本線となるのは、昨季までのレスターの補強方針vs今夏の補強方針。つまり、スティーブ・ウォルシュ在籍中vsポスト・ウォルシュだ。率直な感想は、「とても難しいお題」だった。
選手獲得に関していえば、近い将来にクラブがウォルシュ在籍中同様の成功を収める可能性は極めて低いといえる。
昨季のプレミアリーグ得点ランキング2位のジェイミー・ヴァーディー、選手が選ぶ最優秀選手賞のリヤド・マレズ、影のMVPエンゴロ・カンテ、いぶし銀のマーク・オルブライトンやダニー・シンプソン、さらには一昨季に残留争いで大きな貢献をしたレオナルド・ウジョアやエステバン・カンビアッソ。いずれも破格の安値、もしくはフリーで獲得してきた選手ばかりで、ウォルシュ主導の補強戦略での成功例は枚挙にいとまがない。
だが、今夏のレスターの補強方針がブレていたかと聞かれると、そう断言するのは難しい。結論からいえば、個人的にはそうは考えていない。シーズン終了後の結果を見て判断すべきであるし、現在のクラブが置かれた状況は例年とは大きく異なるのである。
経費がかさむのは、仕方のないことなのだ。補強すべき必要のあるポジション、例えばカンテの抜けた穴を埋めるような万能型MFを獲得しなかった点は問題だ。しかし首脳陣はメンディでそれをカバーできると考えて、獲得している。あとは結果を待つだけだ。
とはいえ、今回取り上げられているポイントは、ウォルシュスタイルの発掘vs高額を支払っての選手獲得、という点だ。
昨季の“あり得ない”優勝により、クラブを取り巻く状況は大きく変わった。選手の移籍交渉をする際、他クラブがプレミアリーグ覇者に対して市場価格以上の額を提示してくることは間違いない。