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Jリーグ 8年前

プロ入り直前で血栓症の診断受けた山本脩斗。「うまくフィットできた」。鹿島への適応と飛躍【The Turning Point】

シリーズ:The Turning Point text by 海江田哲朗 photo by Getty Images

ピークは「もう少し先。まだまだです」

――2016シーズン1stステージは、川崎フロンターレをラストスパートでまくって優勝。なんだ、やっぱり最後は鹿島かよと見慣れた風景を遠くから眺めました。

「最後のほうは他力でもあったので、自分たちは勝つしかないとはっきりしていましたね。勝てば何かが起こるのではないかと。優勝の懸かったゲームは独特の雰囲気があり、競っている川崎にも少なからずあるんだろうなと想像しながら」

――それでちゃんと結果を出し、きれいに6連勝で締めくくってしまうのが鹿島。昔から鹿島と対戦した選手の口から「やりづらさ」をよく聞くんです。相手を気持ちよくプレーさせないために、チームに根づいていることとは?

「まずは綿密なスカウティングが挙げられると思います。ゲームで肝となる部分をしっかり抑え、チーム全体で相手にやらせないように仕向ける。加えて、勝っている状況、負けている状況、それぞれの試合運びを全員の共通理解として持つこと」

――スカウティングの情報を、適切にピッチに落とし込む。

「体現できるかどうかという問題もありますよね。せっかく落とし込んでも試合で出せなかったら意味がない。鹿島がそれを可能にする選手をそろえているということなのでは」

――2ndステージの手応えはいかがですか?

「失点が多く、なかなか結果を出せないゲームが続いています。1stでは失点の少なさが攻撃のリズムを生んでいたので、そこはチームとしてもう一度見直したいです」

――現在、山本選手は31歳。ぼちぼちベテラン扱いされる年頃に。

「自分ではベテランの域に入った感覚は一切ないんですが、フィールドでは上から2番目なんですよ。青木(剛/サガン鳥栖)さんがいなくなって、ついに僕が満男さんの次に」

――鹿島は若手の有望株が目白押しですもんねえ。

「めちゃくちゃ若い。23歳以下で十数人います」

――そうしているうちに貫禄が出てきたり。

「全然。見てわかりません?」

――地味にリーダーシップを発揮して。

「そういうのは大伍の得意分野」

――ベテラン扱いなんてゴメンだ。おれはおまえらより走れるぞと。

「そっちですね。ガンガン走れますから」

――プロ9年目、選手として脂がのり、ピークに差しかかっている実感は?

「もう少し先。あと2年くらいあとかな。まだまだです。これからです」

(取材・文:海江田哲朗)

【了】

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