森山監督も指摘。課題は「決定力」
先制点が生まれたのは前半26分。瀬古のフィードが右サイドに開いた中村につながり、その折り返しを宮代が競って、こぼれ球を福岡が押し込む形だった。福岡の3列目からの飛び出しは大きな武器。森山監督も「攻守両面でアグレッシブ、人間としても信用できる。あいつとは心中できる」と大黒柱の活躍に太鼓判を押していた。
後半は久保が宮代と2トップを組み、右に上月、左に中村が陣取る前線4枚の構成へ。この変更が戸惑いを生じさせたのか序盤は鹿島に攻め込まれたが、15分過ぎから巻き返し、再三の得点機を作る。
中村、宮代には複数回のビッグチャンスが巡ってきたが、ゴール前の冷静さを欠いて追加点を奪えない。頼みの久保も後半44分に精度の高い直接FKを蹴りながら相手GKに弾かれてしまう。結局、日本は2点目が取れないまま、1-0の辛勝。瀬古、監物を軸とした守備陣の安定感は光ったものの、本番に向けて決定力不足が1つの課題として浮き彫りになった。
「問題はやっぱり2点目。守備陣の頑張りもあって今回は1-0から絶対に失点しない戦いはできたが、本番になって決定機を逃していると最後にやられたりする。2点目が入れば、3点、4点と行く選手たちなんで、そこが一番のカギになる。決定力アップのトレーニングをしたい」と森山監督も語ったが、本大会切符獲得の行方は誰がどう点を取るかにかかっている。久保はもちろんのこと、宮代、中村らの奮起が求められるところだ。
こうした課題に直面する中、2本目の水戸ユースで山田、鈴木というアタッカー陣にゴールが生まれたのは朗報だった。U-16代表の小林友希(神戸U-18)、関川郁万(流通経済柏高)、棚橋尭士(横浜ユース)の3人が負傷欠場したことで、この試合は水戸啓明高校から3人、対戦相手の水戸ユースから2人を借りて試合を行ったため、個人のテストという色合いが強かった。そんな中、6月のインド・ベトナム遠征で腰を負傷し、長期離脱していた山田が2ゴールを挙げたのは前向きな収穫だった。