中心選手外しはリスクあるが、クラブで不遇続く選手の重用も危険
日本代表において、W杯の2大会に渡りチームの中心を担ってきた選手を外すことはリスクを伴う。だが、もしクラブでの状況が変わらないようであれば、選手を神格化することなく時に厳しい判断も必要になってくる。
今回のメンバーであれば同ポジションの候補である小林悠の先発起用はもちろん、タイ戦でMOM級の働きをした原口元気を右サイドで起用することも可能だ。リオ五輪を経験した南野拓実、あるいは招集経験のある齋藤学をはじめJリーグで好調の選手を抜擢する選択肢もある。
本田としては自ら代表のポジションを明け渡す必要は無い。ミランで何とかアピールを続けて出場機会を増やし、昨季インテルでの長友佑都がそうであったように“下克上”を果たすためにベストを尽くしていけばいい。
一方で代表チームとしてはブラジルW杯の二の舞を避けたい。メンバー固定による弊害を招いたからだ。常に結果が問われる最終予選においても多少のリスクを負って、世界で戦うための引き出しを増やしていきたいところだ。タイ戦では浅野をスタメンに抜擢したハリルホジッチ監督だけに、今後の決断に注目していきたい。
(取材・文:河治良幸)
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