まだ“真のゴールゲッター”は確定していない
だからこそ“汗かき役”として評価されるレスターでも、ゴールにこだわることをテーマに掲げる。役割から考えればチャンスはそう多くないかもしれないが、そこで1つのトラップやシュートにこだわりを持つことでゴールという結果が生まれ、それはストライカーとしての評価に直結するはずだ。
「(A代表で)大きな信頼を勝ち得ていないというのは認識したし、レスターでもストライカーとして信頼を得られてはいないので、やることは1つだなと。どこでもゴールへのクオリティを高めていくだけです」
新鋭の浅野も国際Aマッチがすでに100試合を超える岡崎も、結局のところ強く意識するのはゴールであり、そこでストライカーの価値が証明されることを知っている。
1トップにおいて、それは怪我からの完全復活に意欲を燃やす武藤、代表での基本ポジションは右ウィングながら本質的にストライカーである小林悠、今回は周知の理由でメンバーから外された金崎夢生も同じ。2試合を通じてチャンスに占めるクロスの割合が高かったことを考えれば、オランダで開幕からゴールを重ねるハーフナー・マイクに再びチャンスが与えられても不思議ではない。
今回は浅野がUAE戦でゴールを認められなかったものの、先発したタイ戦でゴールという結果を出した。だが現状を見ればハリルホジッチ監督が求める“真のゴールゲッター”は確定しておらず、最終予選のうちにも国内外で活躍するFWにチャンスが与えられる余地は十分にある。
その中で浅野と岡崎がクラブでゴールを重ね、代表でも点を取ってチームを勝利に導けるのか。まずはシュトゥットガルトとレスターでのプレーを見守りたいところだ。
(取材・文:河治良幸【バンコク】)
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