今シーズンの展望
ポール・ポグバら多くのビッグネームがオフシーズンの報道を賑わせてくれたが、結局誰もレアル・マドリーにやって来ることはなかった。ただ一方で、誰も去ることもなかった。
ここまで静かなオフシーズンも珍しいが、それだけジネディーヌ・ジダン監督は現有戦力に自信を持っていることの裏返しなのだろう。
今季の目標は3冠プラスαとなる。既にUEFAスーパーカップを獲得し、今後はクラブワールドカップもある。昨季のコパ・デル・レイの選手登録ミスのようなお粗末な事態がない限り、今季は相当な過密日程が予想されるため、ターンオーバー制を含めたコンディショニングがカギを握る。
ただでさえ、昨シーズンはリーガからEURO、コパ・アメリカとフル回転した選手も多い。そういう意味でも、同じ監督、同じ選手でチームの共通認識がすでに出来上がっているのは心強い。
そんな中で期待の新戦力はレンタル復帰組だ。ユベントスで一皮むけたFWアルバロ・モラタは、EUROでもスペイン代表の一員として活躍。当初は、プレミアリーグへの転売が有力視されていたが、カリム・ベンゼマの負傷という幸運もあり、プレシーズンの段階からフル回転し、自らの存在価値を証明した。
また、リーガ開幕から、大黒柱クリスティアーノ・ロナウド不在の穴を埋めているのは、20歳の新星マルコ・アセンシオだ。創造性豊かなプレーを披露し、新生フレン・ロペテギ監督率いるスペイン代表にも選出された若きMFは、今季一番の注目株であろう。ロナウドの復帰が予想される第3節以降の起用法にも注目が集まりそうだ。
ロナウド、ベンゼマの負傷という暗いニュースも、却って脱BBC(ベンゼマ、ガレス・ベイル、ロナウド)化を推し進めるものとなっている。昨季終盤でも、ロナウド不在時にベイルが解き放たれたようなパフォーマンスを見せていたように、今季も若手の活躍が彼らの不在を感じさせることがないのは好ニュースだ。