ハリルJではドルトムント同じトップ下。なぜそのまま代表に持ち込めないのか
にもかかわらず、肝心な決定機を外してしまう。酒井宏樹(マルセイユ)のクロスを本田がヘッドで合わせ、弾かれたところに香川が詰めた前半終了間際の得点チャンスは、惜しくも相手DFにブロックされた。後半19分に原口からパスを受けてGKと1対1になった場面もシュートコースが甘く、最終的に防がれた。
こうした得点機をモノにできなかっただけでなく、ヒールパスをしようとして自分の足に当てたり、相手にボールをさらわれたり、デュエルで負けてカウンターを繰り出されるきっかけを作ったりと、どうもネガティブなシーンばかりが目についた。
「決められる場面を決められなかった? そうですね。それはもちろん課題ですし、決めなきゃいけないですけど。そこはもう前を見てやるしかない。続けてやるしかないとは思ってます」と本人も自分に言い聞かせるようにコメントしていたが、自身のパフォーマンス納得していないのは明らかだった。
アルベルト・ザッケローニ監督時代の左サイド、ハビエル・アギーレ監督時代の左インサイドハーフのように、所属クラブと代表のポジションが違っていた頃は、感覚的なズレが生じるのは理解できた。
が、ハリルホジッチ監督就任以降の香川はトップ下に完全固定されている。ドルトムントでも今季はこの位置が本職と言っても過言ではない。それだけに、ドルトムントでやっていることをなぜそのまま代表に持ち込めないのかという疑問が投げかけられるのも当然だ。
以前、背番号10の先輩・中村俊輔(横浜FM)は「真司はゲームメークもフィニッシュも何でもできる分、託される役割が多すぎる」と分析したことがあったが、今回の2連戦を見る限りでは、お膳立てに回りすぎて得点チャンスが減っているというわけでもなかった。