香川と本田を引き離すメリット

　これまでも日本の攻撃リズムが良い時は本田が右サイドでSBと連携して起点となり、そこからアタッキングサードで仕掛ける段階で、中央の香川などに絡んでいく形を作れた時だ。

　そうすれば酒井宏にしても単純にサイドのスペースでボールを持ってシンプルなクロスを選択するだけでなく、本田にボールを当てながら斜めに追い越す動きも生まれてくる。一度サイドで起点ができれば、中央で香川がタイミング良くパスを受け、そこから逆サイドの選手とのワンツーや岡崎とのクロスオーバーでペナルティエリア内に飛び込む動きも出やすくなる。

　要は“香川と本田を引き離せ”ということ。香川と本田が適度な距離感でお互いの持ち場を起点として意識し、そこから流れに応じて近い場所でのコンビネーションを発揮することが、より有効な攻撃を生み出しやすい。そこが機能すれば、左サイドの選手がどう絡んでいくべきかというイメージも明確になるはずだ。

　相手の攻守のバランスから、左サイドのほうが攻略の鍵を握るかもしれないが、香川と本田の立ち位置は全体に関わるもので、そこがしっかり機能すれば日本の攻撃に相乗効果が生まれる。それは清武がトップ下に入った場合も同じことが言える。