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日本代表 8年前

浅野拓磨、タイ戦先発も。“幻のゴール”は「シュートミス」。窮地の日本を救えるか

text by 元川悦子 photo by Getty Images

スピードを活かしてルーズな守備を攻略できるか

 かつてBECテロ・サーサナで“タイのメッシ”らタイ代表の主力数人とともにプレーした経験のある岩政大樹(岡山)も「タイのDFは育成過程で守備戦術の基本をあまり教えられていない。そこが改善されれば代表ももっと強くなる」と指摘していたが、守りに関しては多少なりともルーズなところはありそうだ。そういう相手には、浅野の卓越したスピードと動き出しの速さがより一層、生かされやすい。

 タイも1日の最終予選初戦・サウジアラビア戦を落としており、この試合は是が非でも勝利がほしい状況だ。それゆえ、序盤から前がかりで攻めてくることも考えらえる。その逆を突いて、浅野の速さでDF陣の裏をかく乱することができれば、日本の先制点の確率は一気に上がるはずだ。

「U-23で対戦した時もそうでしたけど、タイの1人1人技術は高い。動きの速さや俊敏性もはすごく高いものを持ってる印象があります。その中でも、守備のところから負けずに自分たちのサッカーができれば、十分勝利できる相手だと思います。

 ただ、相手にやりたいことをやらせて、勢いに乗らせたら、すごくいいチームになってしまうので、その前にしっかりつぶすところをつぶして僕らのペースに持っていければいいと思います」

 こう話す浅野が日本攻撃陣の切り込み隊長として裏へ裏へと飛び出し、ゴールという結果を残してくれれば、日本は窮地から脱出するきっかけを得られる。チームの救世主になるべく、若きスピードスターには武器を最大限出し切ってもらいたい。

(取材・文:元川悦子【バンコク】)

【了】

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