「幻のゴール」はシュートミスだと感じている
その彼だが、タイでの注目度は日に日に高まりつつある様子。日本の前に同競技場で練習したタイ代表の攻撃のキーマン、MFチャナティップ・ソンクラシン(ムアントン)も「日本でいい選手だと思うのは本田、香川(真司=ドルトムント)と浅野」と売り出し中の快足FWの名前を挙げて、憧れを口にしていたのだ。
「タイのメッシ」の異名を取る男がこんな発言をしたのは、今年1月のAFC・U-23選手権(カタール)で日本がタイを4-0で下したこと、浅野がタイで人気の高いアーセナルに移籍したことなどが影響していると見られる。
そのことを本人に伝えるとテレ笑いを浮かべただけだったが、決して悪い気はしないはず。今回ピッチに立てばUAE戦以上に厳しいマークに遭うだろうが、それでもゴールを強く渇望しているだろう。UAE戦での「幻のゴール」の悪夢を払拭する意味でも、今回こそ結果を残して、存在価値を証明するしかない。
「本田さんとかは『(幻のゴールを)入った入った』と言ってくれてますけど、僕自身はミートできなかったのでシュートミスだと感じています。実はあの一瞬、前日のトレーニングで左足で吹かしてしまったシーンが頭によぎったんです。
結局、ゴールにならなかったんで『ふかすんじゃなくて、まずは枠に飛ばそう』と意識したんですけど、それが逆に弱いシュートになってしまった。チームのみんなには本当に申し訳ないので、次の試合はしっかりゴールという結果で貢献したいなと思います」と若きスピードスターは同じミスを繰り返さないことを強く誓った。
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