今シーズンの展望
2015/16シーズンはリーガエスパニョーラ、コパ・デル・レイの2冠を獲得。公式戦39戦無敗記録など、1年を通じてスペインサッカー界の中心にいたはずだったが、宿敵レアル・マドリーがチャンピオンズリーグ(CL)を制したことで、マドリード系をはじめ、多くのスペインメディアに「国内2冠<CL王者」というムードを作り出されてしまった。
そして、ルイス・エンリケ監督や選手たちは、辟易するほどにシーズンの成否についての質問を投げかけられることになった。やはり、「バルサ強し」を世界に発信するためにも今季のCL王座奪還は不可欠であろう。
今季もチームの核は変わらない。既に完成されたチームだけに、新戦力のつけ入る余地は少なく、それゆえに常にレギュラー陣と控えのクオリティの差が課題とされてきた。
しかし、今季は新たなオプションをもたらしてくれそうな顔ぶれがいる。リヨンからやってきた22歳のDFサミュエル・ウンティティは、ハビエル・マスチェラーノの負傷という“幸運”もあり、開幕から連続スタメンを飾っている。チームに加わって日は浅いが、非常に堂々とプレーしている。左利きのCBという希少性も相まって、ポジション奪取の可能性もありそうだ。
MFではビジャレアルからレンタル復帰のデニス・スアレスが面白い。こちらもアンドレス・イニエスタの負傷で連続スタメン中。今年代表デビューも果たした22歳は期限付き移籍を経て、単なるテクニシャンから一皮むけたプレーを披露している。また今季最大の買い物となった、EURO優勝メンバーのアンドレ・ゴメスはもう少しフィットするまでに時間がかかりそうだ。
そして、昨季加入したアルダ・トゥランのここまでのプレーぶりはうれしい悲鳴だろう。ネイマールの復帰後には控えに回ることになるが、彼の存在が今季の大きなオプションになりそうだ。第4のFWとするにはあまりに勿体ない、パコ・アルカセルを移籍市場最終日に獲得できたことで今夏の補強は完了。派手ではないが、的確な補強が行われたと見ていいだろう。