起点となる左サイド、スピード持ち味の控え選手も要警戒
2次予選、タイ代表の攻撃は左サイドが起点となることが多かった。キープ力とテクニックがあるティーラトン、チャナティップ、さらにMFグルークリット・タウィガーン(チョンブリFC)らがパスを繋いてリズムを作り、空いた中央のスペース、または逆サイドへと振ってチャンスを見出してきた。
昨年のホームでのベトナム戦の終盤。左サイドでのパス交換で相手を引き付けると、中央の空いたスペースに入ったMFポッカーオ・アナン(チョンブリFC)がボールを受け、ミドルシュートによる決勝点が生まれた。アウェイでのベトナム戦も同じような形から、最後はグルークリットがミドルシュートで先制点を奪っている。
2対2で終わったホームでのイラク戦も、やはり左サイドをパスワークでえぐって、MFモンコン・トッサカイ(チェンライ・ユナイテッド)の同点ゴールに結びつけている。日本代表もタイの左サイドには注意したい。
また、試合途中での起用が多いMFサラウット・マスク(バンコクグラスFC)やFWタナ・チャナブット(タルーアFC)はスピードが持ち味。先述のイラク戦の同点ゴールをアシストしたのもサラウットだった。終盤、日本の動きが鈍りようものなら、彼らの突破が脅威になる可能性はある。
守備面では傑出した選手はいないものの、各選手が最後まで足を止めずにボールに食らいついてくる。最後尾に控えるGKガウィン・タマサッチャナン(ムアントン・ユナイテッド)は、安定したハイボールへの対応と高いシュートストップ能力を持つ。日本は縦への速攻などでタイの守備を揺さぶりたい。
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