今シーズンの展望
悲願のチャンピオンズリーグ(CL)制覇とセリエA六連覇に向けた戦力は整った。ポール・ポグバを史上最高額となる1億500万ユーロ(約133億円)で放出したユベントスだが、その穴を埋める選手を獲得し、プラスアルファの補強にも成功している。
ポグバの直接の代役となるのは宿敵ローマを牽引し続けてきた新加入MFミラレム・ピャニッチだ。“ネクスト・ピルロ”としてチームにファンタジーをもたらすことが期待されている。
莫大な移籍金を得たことでクラブは積極補強を敢行。絶対的なエースとしてライバル・ナポリからゴンサロ・イグアインを引き抜くという“禁断の移籍”を実現した。さらにはBBC(アンドレア・バルザーリ、レオナルド・ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニ)の控えにメフディ・ベナティアを加え、2014/2015シーズンのCL決勝や昨季のバイエルン・ミュンヘン戦のようにBBC不在によって3バックを選択できなくなるという問題を解決した。
またバルセロナからダニエウ・アウベスをフリーで獲得し、マルコ・ピアツァやロランド・マンドラゴラといった新星も確保。戦術の幅を広げるフアン・クアドラードをチェルシーから復帰させるなど大型移籍以外の部分でも脇をしっかりと固めた。
実質的に2チームを編成することが可能になるまでに質と量を向上させたチームの目標はCL制覇となるだろう。セリエAでは既に敵なしで、前人未到の六連覇はもはや義務となっている。
【次ページ】補強・総合力診断